証紙が在りませんので推測になりますが、鹿児島産の大島アンサンブルで縞大島・チラシのようです。 絣柄の組織をマイクロスコープ顕微鏡で見てみますと、手織りの一元式のようにも見えますが、縞大島は、縞模様が特徴で、染色された糸と無地の糸を交互に使って織られます。 大島の着物は平織りですのでヨコ糸は水平方向に往復しながらタテ糸の間を縫うように走っています。 色のついたタテ糸はヨコ糸の中でパターンやデザインを作るために使用されています。 特定の模様を作るためには重要な糸となります。 一元式絣は美しい模様を作り出すために同じ色の糸を使用しますが、縞大島は縞模様を生み出すために異なる色の糸を交互に使っています。 写真16~18枚目は色を付けた縞大島の織糸です。 一元式絣は、タテ糸2本とヨコ糸2本で1つの絣（風車のような井形）を作ります。 計4本の絣糸を合わせて1つの絣を作るため、染色された糸の色は同じになり、この技法で、同じ色の糸を組み合わせて美しい模様を作り出します。 両者は異なる技法で織られており、それぞれの特徴を楽しむことができます。 着物裏地は駒撚りの羽二重風の生地の黒を使用。 羽織額裏は精華縮緬に不老長寿の福酒を人間に授けるという中国の伝説をもとにして能や狂言で演じられている演目・猩々（しょうじょう）を描いてます。 着物羽織の表裏地とも正絹です。 寸法（単位㎝） 身丈（背）153　裄68　袖巾34　袖丈51,5　後巾31,5　前巾28 羽織丈97,5　裄68　 身長182cm位の方ですと体形にもよりますが、足のくるぶしの真ん中あたりに着物の裾が届くと思います。 この大島を誂えられた頃の大島の幅は40cm前後と短く、裄は少し短いかもしれません。 仕付け糸付きですが、額裏に色移り等、汚れがあります。（写真13~17枚目） 染めの最終段階での洗いの水元や蒸しが甘かったのでしょう。 シミ汚れ等は出来る限りチェックしておりますが、見落としのある場合もございます。ご理解のほどお願いいたします。 デジカメの画像です。モニターによって色の違いが出ることがありますので、ご了承ください。 撮影に使用しました羽織紐と白い角帯は今回の出品物ではありません。